ワイナリーレストラン“Zelkova”1周年記念パーティー

塚本俊彦会長(左)、木田茂樹社長(右)

2011年8月4日、笛吹市一宮町のワイナリー、ルミエールに昨年オープンしたレストラン“Zelkova(ゼルコバ)”の一周年を記念するパーティーが開催された。

ルミエールは、1885年に降矢徳義氏によって創設された“降矢醸造場”を前身(その後、1943年に“甲州園”に改組し、1976年に現会長の塚本俊彦氏が社長に就任。1992年に現在の“ルミエール”へと社名変更)とした老舗ワイナリー。本物のワインを作るには本物のブドウを育てること―創業当時から伝えられてきたこの教えを忠実に守り、自社農園の開拓、ブドウの改良、ヨーロッパ品種の導入など、一切の妥協をせず、品質にこだわりぬいたルミエールのワインは、これまでにも数々の賞を受賞し、国内外で高い評価を獲得している。また、そんな良質のワインを原料に静置発酵にてゆっくりと時間をかけて酢酸発酵をさせたワインヴィネガーも、本物をもとめる方々を中心に注目を集めている。2004年からは自社畑の特性を最大限に活かすため、オーストリアのルドルフ・シュタイナー氏が提唱した有機農業で、ヨーロッパを中心にアメリカ、インドなど世界各地で広まりつつある“ビオディナミ(バイオダイナミック農法)”を取り入れ、畑を自然の状態に近づけた形でブドウの栽培を行なっている。

そんなルミエールに昨年オープンしたのが、ワイナリーレストラン・ゼルコバ。心地よい空気につつまれた高台の中腹、ブドウ畑に囲まれたモダンな雰囲気の店内。フランスの三つ星レストランで経験を重ねた橋之口シェフが手がける、山梨県産食材の素材の味を活かしながら贅沢なフランス料理に仕立てた“山梨フレンチ”をゆっくりと堪能できる、日常から離れた特別なひとときを過ごせる空間だ。

ゼルコバのシェフをつとめるようになって「山梨の食材を使って料理をすることで、海外や東京の頃とは意識が変わり、食の面白さを再認識することができました」と橋之口シェフはパーティーのなかでも語っていた。

一周年記念パーティーが行われたこの日、ゼルコバを祝うため、平日にもかかわらず多くの方々が訪れ、ルミエール自慢のワインと、橋之口シェフによる料理の数々に舌鼓を打っていた。パーティーの冒頭、挨拶の中で木田茂樹社長もおっしゃっていたのだが、ルミエールのシンボルであり、レストラン名の由来でもあった大ケヤキの木(その樹齢は約900年といわれている)が、今年7月、大雨を伴う激しい突風によって太い幹が途中から折れてしまうという悲しい出来事に見舞われた。木田社長、そしてスタッフの皆さんのショックは相当なものだったろう。しかし、木田社長は、東日本大震災で日本が受けた過去にないダメージを受けたことも含めて、「この折れてしまったケヤキの木を再生の象徴として、これからも前に進んでいきたい」と真っ直ぐな気持ちを語っていた。また、当日は、ちょっとしたサプライズな発表もあり祝いの場を盛り上げた。それは、1992年に発見された小惑星に、降矢徳義氏と塚本俊彦会長のこれまでの功績を記念して、お二人の名を冠し“徳義・俊(noriyositosi)”と名付けられたのだ。これは、この小惑星の発見者のひとりである北海道在住のアマチュア天文家、渡辺和郎氏(当日は会場を訪れ、ユニークで分かりやすい惑星の解説も披露してくれた)と親交の深い日本宇宙フォーラム参与の寺門邦次氏がルミエールに度々訪れていることから実現したそうだ。

ちなみに、気になる今年のワインの出来だが、岩間工場長によると、7月に猛暑が続いた影響もあり、このまま順調にいけば今年はかなり品質の高いワインが期待できるとのこと。(取材:エイチ)

山梨ならではのフレンチに取り組む橋之口シェフ

小惑星を発見した渡辺和郎氏

 

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