甲斐路について

秋を代表する山梨のブドウと言えば、やはり「甲斐路」。フレーム・トーケーとネオ・マスカットの交配種で、コクのある豊かな甘みに加え、気品高いマスカット香がもたらす食味は、正に赤系ブドウの王様的存在です。貯蔵性や茎との密着性も高く輸送性にも優れているので、秋の産直の送りブドウとしても中心的な存在です。本来甲斐路は晩秋のブドウとして栽培されていましたが、枝変わりとして結実したモノが早熟で着色も良く、なお糖度も高いので早生甲斐路として世に出されました。今では、甲斐路といえば早生甲斐路も含めたものとして認知されています。

 

ラグビーボールに似た形状【←写真】のように、甲斐路の特性として粒はラグビーボールに似た形状をしています。正確には系統によりその度合いに違いがありますが、概ねそんなところでしょう。色的にも系統により着色には若干違いがありますが、薄茜色から徐々に濃くなって行きます。そしてこのブドウは種あり栽培ですので、食べる時に種を出さなければなりませんが、果肉からの種離れは良いのでそのあたりはあまり気になりません。食味的には、上にも記しましたが糖度も高くマスカット香もあり、ありきたりな黒系のブドウと比べると、品のある美味しさとでも言えば良いでしょうか、クセになりますねぇ、、、、。

 

除袋直後に透明のポリ傘を掛けた様子

甲斐路は赤系ブドウの代表的な品種でありますが、黒系の巨峰やピオーネなどと違い、太陽光に照らされて赤く色づきます。人間が直射日光を浴びて日焼けするのに近いものがあります。【←写真】は除袋直後に透明のポリ傘を掛けた様子ですが、黒系は日除けの意味もあって乳白色の傘を掛けます。甲斐路は前述の通り日光が当たるようにという事で透明のポリ傘を掛けます。ちなみに、黒系ブドウの着色の進み具合は昼夜の温度差であったり、1本の樹へならす房数に起因するようです。

 

茎の付け根付近の色味がまだ青く残っている

写真の甲斐路は、粒の表面は赤みを帯びて、パット見はこの程度でも食せるかと思いますが実際にはやや若く、粒の裏側、つまり茎の付け根付近の色味がまだ青く残っていますので、味的にも本来の芳醇なコクのある旨みを感じることはできないと思います。色見的に判断するのであれば、全体的にしっかり赤見を帯びていれば良いのですが、青見が色抜けして黄色っぽくなっていれば良しといったところでしょうか、、、。

 

甲斐路の種それから、加工品としてあまり出回ってはいませんが、このブドウで作るジャムは絶品。色合いは梅肉に見えてチョットどうかな?って感じはしますが、ジャムに濃縮された風味はヨーロピアンな味と香りを感じさせ、加工状態を緩くすることによりフルーツソースとしても秀逸したものとなります。さて、その甲斐路のジャムなんですが、拘って作るのであれば一粒一粒写真のように種(種周りの白い部分も)を取ってから煮詰めて行きます。この白い部分がジャムの中に残るのと残らないのでは、食感的にも違ってきますので、作業的には大変ですが、どうせやるならそこまでやってほしですね。

 

種の中から「山」の字そして、種。包丁でスパンっと切ってみるとナント「山」の字。以前、山梨県産のブドウの種は、切ると中から「山」の字が出てくるよって言って見せたら、本気にされたことがありましたが、長野県産のブドウでも同じですよぉ。

 

 

 

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