夏休みの縄文体験!土偶づくり
2011年8月1日、一宮町にある釈迦堂遺跡博物館で「土偶づくり」のイベントが行われました。いつも大人気のこのイベントに旬感ネットのスタッフも参加させていただきました。
釈迦堂遺跡は、釈迦堂遺跡は、1,116個もの土偶が出土した日本有数の縄文遺跡です。釈迦堂遺跡博物館では、縄文時代のことをわかりやすく学べるように、年間を通して楽しいイベントが企画されています。今回の土偶づくりは7月30日、31日、8月1日に成形作業が行われ、8月7日に3日分の焼き作業が行われました。夏休み中ということもあり、参加者の多くが親子連れでした。ロビーで館長さんのお話を聞いた後は、学芸員の秋山さんの案内で2階の展示室へ。土偶づくりにとりかかる前に、釈迦堂遺跡で発掘された本物の縄文時代の土偶をよく観察します。土偶は全身を作った後、わざとバラバラに壊されたということがわかっているそうです。顔だけの土偶も、元々は体があったんですね。お祈りの儀式や、お守り用に作られたそうです。
展示室を出た後、参加者は建物の裏にある公園に移動しました。青い芝生が美しい広場には、東屋になった素敵な休憩所があります。成形作業はここで行われました。日陰になった東屋の中は、時々涼しい風が吹き込んできて、とても爽やかです。席に着くと、縄文時代の材料に近い砂を混ぜた粘土が配られました。粘土をこねる感触が楽しいようで、みんな夢中になってこねています。秋山さんたちがテーブルをまわって、作り方をわかりやすく教えてくれます。でも、粘土をへらでくっつける部分はちょっと難しいみたい。どの子も真剣な表情です。お母さんやおばあちゃんと一緒に作れることも、本当に楽しいですね。約2時間が経過して、みんなの土偶ができあがってきました。テーブルの上を見ていると、一つとして同じ顔の土偶はありません。とっても個性的なステキな土偶がたくさん完成しました。これを新聞紙で折ったケースに入れて、博物館で預かってもらいます。一週間ほどよく乾かしてから、焚き火で焼いて、硬く丈夫にするのです。
8月7日、前回の成形作業から一週間が経ちました。さあ、今日はいよいよ焼きの作業です。芝生広場には、参加者の親子70名が集まっています。広場の隅には、既に2つの焚き火が炊かれています。縄文時代と同じように焚き火で土偶を焼くのです。焚き火の周りにはみんなの作った土偶が置いてあります。急に高温の中に入れると割れてしまうので、徐々に温度を上げなければなりません。その為、最初は火から少し離して置いておきます。焚き火の温度は800℃ぐらいあるそうです。熱くて煙たいので、焼きの作業は博物館の人にお任せして、みんなは焚き火の周りで応援です。ある程度温まったところで、局長さんや秋山さんら、スタッフの方たちが土偶を火の中に入れていきます。ここから約40分間じっくりと焼くのです。その間、参加者は芝生広場で、弓矢のゲームや火おこしなどの縄文体験をして遊びました。博物館の人が、バケツいっぱいのスモモをくれたので、それを食べながら、虫取りをしたりして遊びました。楽しくって、楽しくって、あっというまに時間が過ぎていきました。
さあ、ついに土偶も焼きあがったようです。火の中から取り出された土偶は、芝生の上に並べられます。つい触りたくなってしまいますが、ちょっと待って!だってこう見えても、まだ200℃くらいあるんですって。草の上で、焦らずゆっくり冷ましていると、ようやく温度も下がってきました。みんな自分の作品を受け取って嬉しそう。もらった土偶は、新聞紙にくるんで大事に持って帰ります。
旬感ネットのスタッフみーしゃも、完成品を手に思わず笑顔。すすと灰がついた土偶は、すごく味のある出来映えでした。振ってみるとちゃんと鈴もなります。どうです?かわいいでしょう?実際に粘土から作ってみると、縄文人の暮らしのことがより具体的に想像できて、とても楽しくなりました。真夏の暑い日に、熱い焚き火のそばでずっと作業してくださった博物館の方たち、本当にありがとうございました。すごく楽しい夏休みの思い出ができました。(取材:さっさ&みーしゃ)