「いさわ温泉の日」制定記念イベント2010
「1(い)3(さ)0(わ)」の語呂合わせにちなみ、1月30日を「いさわ温泉の日」に制定した記念イベントが1月30日午前11時から「いさわ温泉観光の駅」で開催されました。昭和36(1961)年1月の温泉湧出から来年、50周年を迎えることから、もう一度原点に帰り、石和温泉のよさを見直してもらおうと今回初めて行われたこのイベント。“青空温泉”で賑わった当時は大人から子供まで大勢の人が押し寄せて、周辺におでんなどの屋台が出る騒ぎだったといいますが、この日も絶好のイベント日和となり、家族連れやグループなどたくさんの人が集まり、大変な盛り上がりを見せました。
会場には、鳥もつ煮、ふじざくらポーク、ワイン、地酒など山梨を代表する食べ物、飲み物のコーナーが多数出店。温泉を使って作ったカレー、ほうとう、温泉卵など、温泉地ならではの料理も用意され、来場者は山梨の地元料理、温泉料理の味を存分に堪能し、どのコーナーも午後4時のイベント終了時刻を待たずして早々に完売するほどの盛況ぶりでした。また、HOPE笛吹さんのオリジナルスイーツ、道の駅みとみのイチゴなど、春を感じさせる味覚のコーナーも人気を集めていました。
そして、私たち「ふえふき旬感ネット」は今回、餅つきで参加。スタッフのほとんどが餅つき初心者でしたが、境川町の桑原さんと八代町の岩下さんのご協力を得て、全部で一斗二升の餅を無事につくことができました。お二人は普段それぞれの地域で体育指導員として活動されている方たちで、当日は“体指”ではなく“観光大使”としてご協力下さいました。
餅つきコーナーは会場のほぼ中央に設けられ、蒸し上がった餅米のいい香りを周囲に漂わせながら、小気味良い杵つきと手返しによってふっくらとした餅がつきあがりました。餅はその場で一口サイズに丸めて、きなこ餅、大根おろしのからみ餅などにして来場者に振る舞いました。つきたての餅はとても人気があって、出来上がる前から順番を待つ列ができて作業も大忙し。餅を丸めるのも意外と難しく、最初は手間取ったり、いびつな形になったりしましたが、桑原さん、岩下さんのアドバイスを得て、綺麗に丸めた餅を手際よく大勢の人に振る舞うことができました。
また、今回は趣向を凝らして、ふえふき旬感ネットオリジナルの「桃粉餅(ももこもち)」と「ぶどう餅」も作りました。「桃粉餅」は、桃を乾燥させて作った粉と桃シロップ(または黒蜜)を餅にかけたものです。「ぶどう餅」は、枝付きのまま干しブドウにしたデラウェアと甲斐路の実を餅に入れたもので、どちらも今までにない味わいだったと思いますが、皆さんお味のほうは如何だったでしょうか…
一方、この日のイベントのために新装した特設ステージでは、地元石和温泉の芸妓さんが舞踊や津軽三味線などの演奏を披露しました。芸妓さんの歌や踊りは普段あまり見ることが出来ない、とても貴重なもの。初めてその素晴らしい芸に触れ、一見華やかに見える世界のその裏側には日頃の修練があるのだと感じました。ちょっと大袈裟かもしれませんが、温泉湧出以来40余年の歴史の中で脈々と息づいてきたこの芸こそ石和温泉の誇りだと思います。ステージに向けて盛んに拍手を送っていた来場者の皆さんもそんな思いを抱いていたかもしれません。そしてイベントの終盤でも芸妓さんの人を楽しませる極意が発揮され、最後の曲「よっちゃばれ音頭」では来場者を気分よくのせて、皆、手拍子を叩いたり、鳴子を打ち鳴らしたりして、ステージと一体となって盛り上がりました。
歌あり、踊りあり、旨いものありの内容盛りだくさんの今回のイベント。大勢の来場者で賑わい、来年の「石和温泉湧出50周年」へ向けて弾みとなる大変賑やかな一日となりました。
(取材:しんたま)