美味しい『種なしピオーネ』ができるまで

この記事は1年以上前に投稿されており、過去の情報として公開しています。
内容が古く、現在の情報と異なる可能性もありますのでご留意ください。

いよいよ、ぶどうの季節になりました。大粒の高級品種がこれからぞくぞく収穫期を迎えますが、この時期の代表的な品種「種無しピオーネ」が出来るまでを紹介いたします。

ピオーネ

玉張りが良い種無しピオーネ

この品種は、巨峰とカノンホールマスカットを交配させたもので、笛吹市管内では概ね8月中旬から9月下旬が収穫期となります。表記のように現在では「種なし」化が当たり前のようになっておりますが、農園によっては種ありのピオーネを栽培している所もあります。ちなみに、栽培については種ありのブドウは開花期の天候に左右されやすく栽培が難しいのと、市場動向(ユーザーニーズ)に合わせるように種なし化が進みました。スーパーの店頭や八百屋さん、あるいはお取り寄せの箱の中で見る、弾けそうなくらいにピチピチなもぎたてのブドウ。勿論、こんなに立派じゃないものもや、色ツヤ形と様々にありますが、生産者である農家ではこんなブドウを目指して、収穫後から翌年の収穫期に向けて土づくりに始まり樹の管理など、地道な作業に愛情を注いでいます。笛吹市管内では概ね8月中旬から9月下旬くらいまでがこのピオーネの収穫期になりますが、ブドウ棚の下にこんな房ばかりがぶら下がっていると(約650gの3Lサイズ)、圧巻でしょうね。
・・・と言うわけで、こんな見応え食べ応えのある立派なブドウになるまでを、簡単に紹介してみたいと思います。

芽吹き

残雪の南アルプスと芽吹き季節

春、芽吹き。休眠から覚め地下水を汲み上げるように、土壌に張り巡らされた根より勢いよく枝の先端まで養分が運ばれます。剪定された枝の切り口からは、ポトポトとその水を落とします。暖かな陽射し、気温の上昇と共に芽吹きの季節、4月中下旬ともなると【上の写真】のように葉を広げ始め、ここからは日々、刻々と畑の棚上と棚下が緑一色へと変貌を遂げて行きます。この季節、桃畑はピンク一色に一帯を染め上げ、遠くに映る南アルプスの残雪は、一際、空の青さを映し出し笛吹市の春景を見事に演出してくれる時期でもあります。そして4月の終わりから、農家にとっては猫の手も借りたいほどの繁忙期へと突入です。

開花前のぶどう

開花前、房作り(成形前)のピオーネ

5月、やがてツルが伸び、ぶどう園に張り巡らされた針金にその伸びたツルを誘引します。この作業も怠るとのび放題のツルが勝手にあちこちで絡まり(魚釣りで言う、お祭り状態)、最悪棚に広げようがなくなってしまうと、収穫どころの話ではありません。そんなわけで、管理作業も大変なのですが、そうこうして棚下に影が広がるほど枝葉が広がるようになると、ご覧のように房も【上の写真】大きくなってきます。この状態からしばらくすると花が咲き、と言っても桃や桜、他の花のように目立つものではなく、よく見ると確認出来る程度の咲き方で、素人の方が遠巻きから見たのでは、おそらくわからないのではないでしょうか。

こんな感じに切り詰めます

6月、そんな花【写真左】が咲き始めると、種なし化へ向けて農作業も時間との勝負になってきます。ある成長過程の時期にジベレリン処理(種なしにする為の処理)を行わないと、種あり果や不揃いの玉張りの悪いものになってしまったりと、商品としての価値を左右する非常にデリケートな作業になります。ですので段取りよく前作業を行い、【写真右】のような形に揃えておきます。房の長さを約4cmに切り詰める作業も一房ずつハサミを入れます(ウソみたいですが、こんなにちっちゃくしてしまうんですよぉ)。そして、それぞれの房の花が満開後くらいに、一斉にジベレリン溶液をポリのカップに入れ一房ずつ浸して行きます。このあたりの作業については機会があればもっと詳しくお伝えするとして、まだまだ成熟果へ向けて作業は続きます。

摘粒の前と後の比較(左・作業前、右・作業後)、 実際には見直し摘粒でもう一度粒抜きを行ないます

無事に種なし化のジベレリン処理(1回目)が終わると、今度は一房ずつ摘粒作業(粒を間引く仕事)をして房の形状を作って行きます。実は、この作業をいかに丁寧に根気よく、そしてしっかりとやるかによって房の形が決まってきます。勿論形状だけでなく、まるまるとした玉張りの良い房にするためには思っている以上に粒を抜いた方が良いですが、なかなか思い切りよく摘粒できないのも事実です。
ご覧のように写真左側が摘粒前、右側が摘粒後です。粒の密集度の違いがわかると思いますが、予備摘粒の段階ですので本当はもう少し粒を抜きます。そしてこの頃になると、季節的には梅雨に入っておりますので、露地栽培においては雨カッパでのムレムレ作業が続くこともしばしばです。雨に打たれながらの摘粒作業は、正に「忍」の一文字です。

袋掛け直前

袋掛け直前

6月下旬、袋掛け直前なのですが、夏の日差しが強まる頃になると実も大きく膨らんできます。この一粒一粒がまるまる大きくなる事を想像(創造)しながらブドウに手を入れることが大切です。しかしここまでの作業が遅れると摘粒するのにハサミも入らなくなってしますので、やはり早め早めの作業が求められます。

袋の上に日焼け防止のクラフト傘掛け

日除け用にクラフト紙の傘紙を掛けます。

7月、昔はそれ程でもなかったように思うのですが、近年夏の日射しが強く、葡萄の肩の部分が赤茶色に焼けてしまうのを防ぐためにクラフトの傘紙を掛けています。袋を掛けた後に行います。まぁ見ようによっては、三度笠の素浪人?

除袋

昼夜の気温差があると糖度は勿論、黒々とした色づきの良いピオーネになります

8月、農家によっては収穫数週間前に除袋し、改めて雨よけの傘紙に掛け替える農家もあります。そのあたりはそれぞれ栽培方法の違いで、理由はありますが、高温で袋の中がムレないようにするとか諸々です。

というわけで今が旬のピオーネ、まるまるとした瑞々しいこのブドウが一番美味しいのは、やっぱり現地調達ですよぉ。畑で食べるブドウ、これに勝るモノはありません。皆さん、ぜひ旬を迎える、ぶどうの収穫量日本一の笛吹市にぶどう狩りにお出かけくださいませ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事は1年以上前に投稿されており、過去の情報として公開しています。
内容が古く、現在の情報と異なる可能性もありますのでご留意ください。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

旬レポ 新着記事

桃の開花情報

  1. 20160412maemada_06
  2. 2016momo_furusato0411_001
  3. 2016momo_narabara0415_001
  4. 2016momo_koumori0411_004
ページ上部へ戻る