美味しい桃が実るまで

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山梨県笛吹市内では5月14日現在、桃やぶどうの農作業は繁忙期に入り、どこの農家も猫の手も借りたい状態で、市内のあちこちの畑ではラジオの音や耕作機、昇降機など、作業車両の音などとともに慌しく働く姿が市内道路を走ると見られます。桃については早生種で6月中下旬くらいから収穫が始まり、7月、8月下旬くらいまで続きます。そこで今回は以前にも紹介した(旧サイトで)、美味しい桃が実るまでを改めてこちらに転記いたしますので、是非ご覧ください。もちろん、ぶどうも同様に7月中旬くらいからデラウェアの収穫、そして大房系高級品種へと続いて行き、桃同様に大変忙しい時期ですが、美味しいぶどうが実るまでは、改めて紹介したいと思います。

以下旧サイトよりの転記内容です

くだもの王国の山梨県。中でも笛吹市は桃の生産量日本一を誇ります。桃は中国で仙果と呼ばれ、長寿の食べ物として伝えられています。また桃には高血圧予防・便秘改善・ガン予防・美容効果があります。そんなみんなが大好きな桃がどのようにできるかご存知ですか?蕾から収穫までの生長過程をご紹介したいと思います。

摘蕾(てきらい)

冬の桃畑

蕾に白い毛が生えてきます 蕾を間引きます

春、3月に入ると桃畑の枝から堅い蕾が出てきます。そしてその堅い蕾から白い毛が生えてきます。その後少しずつ蕾が柔らかくなってきます。このままの状態で育つと蕾たちは養分の取り合いになり、実も大きくなりません。そこで、「摘蕾」という作業を行います。味がよく、形の良い高品質の桃になるよう、蕾に十分な栄養をいかせる作業です。実がならない枝の先や根元などにある蕾を摘み、地面側にある蕾だけを残します。春といえども、外は手がかじかむ気温。朝早くから摘蕾の作業に桃農家は追われます。

摘花(てきか・てきばな)

蕾が開き始めた桃畑

蕾が膨らみ、畑が段々と桃色になり始める頃に行う作業を「摘花」といいます。摘蕾と同じように、膨らんだ桃色の蕾や花を取る作業です。この時期の桃農家は畑の下にネットを敷いたり、傘を持って作業をします。それはなぜかというと、摘んだ蕾や花から花粉を取るためです。桃には自ら授粉する白鳳やあかつきなどの品種と、浅間白桃や川中島白桃のような人工的に授粉させる品種があります。花粉のない品種には他の品種の花粉を授粉させます。

地面にネットを張ります 傘も利用します
中にはバケツを使う人もいます 摘んだ蕾や花
採葯機にかけます まだ余計な物が混ざった状態

摘んだ蕾や花を採葯器という機械を使って葯を取り出します。授粉のために花粉を取る作業を「開葯(かいやく)」といいます。この時点では機械にかけてもまだ花びらや花粉などのゴミが細かく混ざった状態です。

ふるいにかけます 雌しべや雄しべが残った状態
ふるいにかけゴミを除きます。花糸や雌しべ・雄しべが残るので、さらにふるいにかけ葯を取り出します。
葯をトレーにのせます 開葯器によって花粉をふかせます

すると葯だけがわずかに残ります。選別を終えたら、トレーに葯をのせて開葯器に入れます。8~10時間ほど中で乾燥させて葯を開かせ、花粉を採取します。取り出した花粉は冷凍庫で保存します。

授粉作業

毛ばたきでの授粉作業

冷凍保存した花粉を解凍し、自然に受粉できない桃に「授粉(じゅふん)」させます。この作業は桃の花が咲いた時期に行います。家庭菜園の場合は綿棒や筆を使って人口授粉させますが、桃の場合は毛ばたきなどを使います。農家によって授粉方法が異なりますが、大体が毛ばたきを使用します。

採取した花粉を毛ばたきにつけます ミスト機で花粉を飛ばす人もいます

摘果(てきか)

葉が生え、緑が茂る桃畑

実を結び、小さな桃が目立つようになりました。ここからは蕾や花の時には分からなかった実の良し悪しがハッキリしてきます。さらに実を選別し、減らしていきます。この作業を「摘果」といいます。

花が枯れ、実を結んだ桃 実の数を減らします

摘果を繰り返した枝

縫合線がでてきた桃の実 摘蕾や摘果をしないとこのようになります

摘果を数回繰り返すと養分がさらに行き渡り、段々大きくなってきます。このぐらいの大きさになると、縦に伸びる縫合線が見えてきます。そして実に特徴が出てきます。例えば、一見見た目の悪い平たい実ですが、中を割って見ると綺麗な種が入っています。逆にピンポン球のような丸い実を割って見ると、中に種が2つ入っています。これを双胚果(そうはいか)といい、生長していくと2つの種も大きくなり、変形した桃になり実が割れてしまいます。本来、桃の種は2つあるのですが、大きくなるにつれて生育中に片方の種がこぼれ落ち1つになります。このように摘果では、少し縦長で大きい傷や変形ではない実を残します。

平たい実 割ってみると種が1つ
綺麗な玉になった実 割ってみると種が二つの双胚果

袋がけ(ふくろがけ)

丸く膨らんだ実

二重袋 実を覆うようにしてかぶせます

ある程度実が大きくなると、病害虫や日焼けから実を守るために袋をかけます。この作業を「袋がけ」といいます。袋をかけることにより、農薬の散布回数を減らすことができ、緑色の実の葉緑素を退化させ、着色をよくさせます。袋にも種類があり、桃の大きさや品種、農家の栽培方法によって袋の種類が分けられます。また袋をかけなくても栽培可能な白鳳やなつおとめなどの品種もあります。写真の袋は2重袋といい、2枚の袋が重なっています。袋の左右一方の内側に、袋を止めるための針金が片方に1本入っています。袋のV字型の切れ目から桃の実を挟み込むようにして袋がけします。袋がけした中の7割が商品になり、残り3割は風で落下してしまったり、水が入ったり、キズが付いてしまい商品にはならないという厳しい世界です。

除袋(じょたい)

袋がピンと張った実

垂直に引きます 白い内袋が残ります

袋がけから約1ヶ月経つと、袋の中の実が大きくなり、袋がピンと張ります。実の色がグリーンから黄色になると袋を外す合図です。この作業を「除袋」といいます。除袋のタイミングを図るために、1つだけ袋を外し、色の状態を確認します。2重袋の場合、外側の袋を下から軽く引っ張ると、白い内袋のみ残ります。

黄緑色から黄色に変わった実

除袋を終えた実

除袋を終えるといよいよ最後の作業を行います。反射シート(シルバーシート)を畑に敷き、太陽の光を反射させて桃の実に当たるようにします。こうすることで日光が当たった実は黄色から赤く色が変化していきます。この作業を通称「シルバー」、「シルバー敷き」と呼びます。最近はシートがシルバーではない、白い反射シートもあります。

畑一面シルバーで眩しくなります

桃が実るまでに雨が少なすぎると小玉傾向になり、雨が多すぎると玉は張りますが大味になってしまいます。よって適度の雨と適度の日照りが必要となります。

収穫(しゅうかく)

赤く実った桃たち

除袋作業から約1週間、ついに収穫の時、タイミングの見極めが大切です。共選所ごとの「出荷目合わせ会」で、色付き方や形などを確認し合い、それに沿って桃農家は収穫時期を決めます。大きさだけでなく、特に色で判断することがポイントです。桃が全体的に赤色に色付いたら収穫の合図です。

このように1つの桃ができるまでにいくつもの作業があり、たくさんの手間がかかっています。特に桃は天候に左右されやすく、栽培の難しい果物です。毎年、桃農家の人たちは丹精込めて、品質や味を守りながらつくっています。

皆さま、是非笛吹市のジューシーで美味しい桃をお召し上がり下さい!

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