境川レポーター養成講座(実習編)
【第4回】 (2012年2月13日)
今回から本格的な新聞づくりの実習が始まります。前回講座で参加者が発表した取材テーマを、西上さんが一覧にまとめてくれました。それを見るとテーマは実に色々です。「境川出身の俳人飯田蛇笏・龍太親子について」「境川のシンボル坊ヶ峰について」「グルメ情報」「地元の個人について」などです。参加者それぞれに興味の対象が違っていて、これはおもしろい新聞づくりになりそうだと思いました。この新聞はA3サイズの両面印刷になるそうです。参加者は二つの班に分かれ、それぞれの面を担当します。
編集会議では最初に新聞づくりの役割分担を決めました。タイムキーパー(班長)、レイアウト、校正、連絡調整係などです。その後、各自が取材してきた記事の報告をしました。撮ってきた写真なども見せ合って、編集会議はとても盛り上がりました。その後西上さんから、新聞の二次的な活用法について紹介がありました。地域情報の載った新聞を、手提げバッグにしたり、包装紙にしたりすることで、さらに多くの人に読んでもらうことに成功した例です。自分たちの新聞についても活用法を考えてくることが、次回までの宿題になりました。
次回は講座の最終回です。それまでに紙面を作り上げなければなりません。ここからは班ごとにメールで編集会議をします。原稿や写真もメールでやり取りして新聞を完成させていきます。
【第5回】 (2012年3月12日)
ついに講座最終回となりました。でも大変です!進行役の西上さんがまだ到着していません。前日、日本海のある島でお仕事をしていた西上さんですが、天候が荒れて船が出なかったそうなのです。やっと天候が落ち着いたので、船をチャーターして山梨に向かっているとのことでした。西上さんが来るまでの間、西上さんの上司であるstudio-Lの山崎亮さんが進行をしてくれました。二班ともそれぞれ紙面を作り上げてきたので、模造紙に工夫したポイントなどをまとめて発表しました。
『境川レポーター新聞(仮)』と『境川おさんぽ新聞』。出来上がりの紙面は全く違う印象でした。自分たちとは違う視点に、お互い刺激を受けました。発表を聞く側の班は、気づいたことを付箋に書いて貼り付けます。読者目線でのアドバイスをもらうことで、さらに良い新聞になりそうです。
鈴木先生と山梨日日新聞の方たちが、出来上がった新聞に講評をしてくれました。「楽しさが伝わって来る」「興味を引くように工夫されている」「人物写真から、取材で人間関係が作れているのがわかる」など、先生方からの嬉しい言葉を噛み締めているところへ西上さんが到着しました。山崎さんから進行役のバトンを受け取ります。やっぱり西上さんの顔を見るとほっとします。何より、2年にわたってこの取り組みに係わってくれた西上さんに、完成した新聞を見てもらえるのが嬉しいことでした。
ここからは、前回宿題になっていた新聞の活用法について話し合いました。模造紙にわかりやすくまとめて発表します。「ランチョンマットとして使う」「焼き肉の時のエプロンにする」「婚活に活用する」など色々なアイデアが飛び出しました。鈴木先生は「新聞づくりを経験したことで、知らないうちにまとめ上手、編集上手になっている」と発表を褒めてくれました。
最後は全員が円になって座り、一言ずつ講座の感想を述べました。それぞれの充実した熱い気持ちが伝わってきました。以下、参加者、講師、主催者の感想の抜粋です。
【まとめ】
今回の新聞づくりを通して、私たちは多くのものを得ました。境川の住民と外部の人間が一緒に取材をする中で、お互いに見えない物が見えてくる新しい視点を得ました。また、プロの先生方に指導を受け、情報発信におけるたくさんの技術を知りました。そして何よりも、とてもいい仲間を得ました。世代や立場を超えたつながりは、個人偏重の時代に、とても貴重なものだと思います。境川は昔から、人と人とのつながりをとても大切にしてきた土地柄です。協働のまちづくりには人の絆が不可欠だということを、今回実感しました。完成した新聞には、境川への愛情が詰まっています。読んだ人は、この新聞のもつパワーを感じるはずです。市民活動支援課によると、新聞は2012年5月頃発刊され、笛吹市全戸に配られる予定です。新聞を手に取った人にもこのパワーが伝わって、笛吹市全体の大きなうねりになっていくことを期待しています。(取材:さっさ/2011.11-2012.3)