「スイカズラ」
忍冬 乙女ら森を 恋ひ来り (堀口星眠)
梅雨に入った笛吹の山野には、今、野バラやスイカズラが咲いています。スイカズラは別名、ニンドウ(忍冬)といい、寒い冬も葉を落とさず耐え忍ぶ事からこの名がついたそうです。スイカズラの花は何ともいえない爽やかで甘い香りがします。この季節に野を歩いていると、どこからともなくいい香りが漂ってきて、その存在に気づきます。また、花の色が白から次第に黄色へ変わっていくので、「金銀花」というゴージャスな異名もあります。そんなスイカズラと、これもまたいい香りの野バラが共に咲いている場所は、乙女らの秘密の花園。それはそれは恋い慕う価値のある森でありましょう。(ちゃめ/2011.6)