陸上自衛隊第1音楽隊 指導会・演奏会

2011年12月、笛吹市スコレーセンターで陸上自衛隊第1音楽隊による演奏会が催されました。前日には市内の中学生への演奏指導会も行われました。毎年大人気の陸上自衛隊音楽隊と市民のふれあいイベントを取材しました。

《自衛隊音楽隊の活動について》
陸上自衛隊第1音楽隊は練馬駐屯地に駐屯している師団です。東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県・茨城県・山梨県・静岡県の7つの都県を演奏担任区域として、自衛隊の各種行事や、定期演奏会・ファミリーコンサート・各地域での巡回演奏などで、年間100回におよぶ音楽演奏を行っています。

2011年12月3日

今年も笛吹市スコレーセンターで陸上自衛隊第1音楽隊による演奏指導会が行われました。この指導会は、毎年演奏会前日に行われています。平成19年度より行われていて、今回で5回目となります。今年は市内の石和・一宮・春日居・御坂中学校の吹奏楽部員計89名が指導を受けました。

指導会開始前の挨拶「よろしくお願いします!」

各パートごとに移動します

陸上自衛隊第1音楽隊のシンボルマーク

制服姿がきりっとかっこいい自衛隊の皆さん。お会いすると、こちらも自然と背筋が伸びる気がします。その凛々しさに、ちょっと緊張してしまいますが、実際にお話をすると礼儀正しくて物腰が柔らかい方ばかりでした。広い集会室に整列して、隊員と中学生の双方が挨拶を交わしました。その後、パートごとに会議室や研修室に分かれて指導を受けました。

スコレーセンター内の研修室で指導を受けます

ロビーでも。窓から見える紅葉がきれい

お手本の演奏を聞けるのは貴重な体験です

和室にて

調理室で

丁寧な指導を受けられます

同じ楽器を演奏する同士通じるものがあります

プロの技を間近で見られます!

普段の吹奏楽部の活動では、顧問の先生が全ての楽器の指導を行っています。今回の指導会は、パートごとにきめの細かい指導を受けられる貴重な機会となりました。初めは少しはにかんでいる様子の生徒たちでしたが、そこは同じ楽器を好きな者同士、すぐに打ち解けて熱心に話しに聞き入っていました。プロの演奏家に、実際に演奏してお手本を見せてもらえるのも素晴らしい経験です。また、具体的な演奏テクニックや楽器の手入れの仕方を教えてもらえるチャンスとあって、質問なども積極的にしていました。各パート、熱のこもった1時間半のレッスンが終わり、全員が集会室に集まりました。パート毎に記念撮影をし、最後に全員で撮影しました。学生さんにレッスンの感想を尋ねると、「とても勉強になりました!」と嬉しそうに答えてくれました。

一緒に演奏しながら指導してくれます

一人ずつ見てもらえるのも嬉しいです

楽器の手入れの仕方も教えてくれます

生徒たちも打ち解けています

具体的な指導が勉強になります

実演して説明してくれるので良くわかります

パート毎に記念撮影

最後に全員で撮影

2011年12月4日

力強いマーチの演奏

笛吹市スコレーセンターの広い駐車場は満杯です。この日催された陸上自衛隊第1音楽隊による演奏会に駆けつけた人たちの車で埋め尽くされています。この自衛隊音楽隊の演奏会は、スコレーセンターを運営する(財)ふえふき文化・スポーツ振興財団の事業の中で、毎年一番の人気イベントだそうです。毎回ホールが満席になるので、昨年までは入場整理券を配布していましたが、2時間ぐらいで無くなってしまう為、今年から往復ハガキでの申し込みとなりました。応募者の多くは笛吹市民です。毎年見に来るリピーターの方もたくさんいます。音楽隊はなぜこれほど市民に人気なのでしょうか?

ロビーにパネル展示

災害派遣の様子が紹介されています

司会進行の杉浦隊員

増設された客席も埋まっています

会場は、観客の熱気で満たされています。音楽隊が舞台に上がると大きな拍手が沸きました。今回のコンサートは司会進行役の杉浦隊員の「お久しぶりです」という挨拶で始まりました。第1音楽隊がスコレーセンターで演奏するのは2年ぶりだそうです。第1部はクラッシックや吹奏楽のオリジナル曲を中心に演奏されました。プログラムには、震災復興への祈りの込められた曲や、日本のわらべ歌のメロディーなども組み込まれていました。マーチの力強い演奏には自衛隊ならではの頼もしさを感じました。

指揮をする伊東隊長の背中がかっこいいです

会場は熱気で包まれています

15分の休憩を挟んで第2部が始まりました。こちらは歌謡曲を中心とした、市民に馴染みの深い曲で構成されています。子供の成長への願いが込められた沖縄ことばの曲では、指揮をしていた伊東隊長自らが、マイクを持って歌い始めました。優しく温かい美声が、観客の心に素直に届きます。隊員二人のデュエットで朝のドラマの主題歌も歌われました。誰もが知っている曲で、客席で一緒に口ずさんでいる人もいました。気取らない選曲に、音楽隊への親近感が増しました。観客から自然に沸き起こる手拍子も、心のこもった温かい音がしていました。

クラリネットフィーチャーの楽しい楽曲

伊東隊長も美声を披露

いきものがかりの「ありがとう」をデュエット

会場が温かい雰囲気に

音楽が気持ちを繋いでくれます

坂本九メドレーでのソロパート

プログラムの最後は坂本九さんの名曲メドレーでした。震災被災者の皆さんに聞きたい曲を尋ねると、坂本九さんの曲を揚げる方が多いそうです。前向きになれる、日本人の大好きな曲ばかりです。やさしく語りかけてくるような「見上げてごらん夜の星を」の演奏を聴いていたら、ふと、震災後にテレビで見た自衛隊の活動の映像が、胸に浮かんできました。被災した人たちを救助する姿、避難所に温かい食事やお風呂を用意する姿、瓦礫の中から家族の思い出の品を拾い出す姿。2011年は日本に本当に辛く悲しいことがあって、多くの人が傷つきました。自衛隊の人たちは、被災地の悲しみを直接見て知っていて、懸命に救援活動をしてくれています。音楽隊も同じ思いで、温かく市民に寄り添ってくれているのを感じました。音楽を通して悲しみを癒し、明日を生きる勇気を掴む手助けをしてくれています。

アンコールはコーラス付きで

演奏終了後に伊東隊長の挨拶がありました。「山梨での演奏はお客様との距離が近いです。盛り上げていただいた分、私たちも演奏でお返しができる気がします。我々演奏家と聞いているお客様が一体になれるのが音楽の楽しみ、醍醐味です」

自衛隊音楽隊がこんなにも愛されている理由は、人と人との心のふれあいを大事にしてくれる楽隊だからではないかと思いました。「演奏家と観客の間に篤い信頼関係がある」。そんな印象を抱いた素敵なコンサートでした。(取材:さっさ/2011.12)

音楽隊の皆さん、心温まる演奏をありがとうございました!

 

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