春日居町 菊の散歩路

2010年11月2日から11月7日までの6日間、春日居町中輪菊愛好会が主催する「菊の散歩路」が開催されました。地元の愛好者たちが育てた菊を観賞しながら巡る散歩路です。今年はJR春日居町駅の足湯広場を基点に、25軒のお宅のお庭がコースに組み込まれました。

心を和ませる菊の花

開催期間中の11月4日にはJR春日居町駅の足湯広場で「菊の散歩路」開催のセレモニーも行われました。この日は荻野市長も出席されて、出品された菊の表彰式も行われました。今年は天候不順のため、どのお宅でも菊作りは難しかったようです。それでも、色とりどりの美しい鉢がたくさん出品されました。一年間丹精込めて育てた菊を表彰されるのは、我が子を褒められるような気持ちなのでは?賞状を受け取る方も、拍手を贈る方も、みなさん嬉しそうに微笑んでいました。会場にはテーブルが出され、地元の方手作りの野菜やお味噌、布小物などが販売されていました。また会場を訪れた人には、大鍋で作った「鯉こく」が無料で振舞われていました。春日居は知る人ぞ知る鯉の産地です。私も一杯ごちそうになりました。鯉の身が厚くてプルっとしていて大変美味でした。体が温まって、地元の方たちのぬくもりが伝わってくるようでした。

こちらが受賞した菊鉢

市長より表彰状が授与されました

みなさんいい笑顔

地元の方の手作り品が並んでいます

鯉こくがふるまわれました

「菊の散歩路」とは、春日居町中輪菊愛好会のメンバーが、菊の花の時期に行ういわゆるオープンガーデン(※個人の庭を一般公開すること)です。今年で4回目をむかえます。メンバーのお宅では、庭先に「春日居中輪菊」と書かれたのぼり旗を掲げます。訪問者はのぼり旗を目印に、お庭に入って菊を見せてもらうことができます。基点となる足湯広場には、散策コースを記したマップが設置され、この地区を初めて訪れた方にもわかりやすい案内となっています。今年は11月2日から11月7日まで6日間開催されました。見学は無料です。時には庭の主人にお茶でもてなされることもあり、見知らぬ人同士の交流も生まれています。

こののぼり旗が目印

路地を歩くとあちこちにのぼり旗が

洋風の菊も素敵

和風の菊もやっぱり素敵

塚田会長さん(右から二人目)のお宅にて

この愛好会発足の経緯を、会長の塚田さんにお尋ねしました。もう十年以上前、塚田さんは個人の趣味として菊栽培を始められました。年々品種を増やし、鉢を増やしていったところ、ご近所の方たちから菊作りを教えて欲しいと頼まれるようになったそうです。こうして仲間が増え、平成11年には約10名のメンバーで別田中輪菊愛好会として活動を開始しました。会員が育てた菊の鉢を、地域の方が利用する春日居郵便局の庭先に展示しました。美しい花が人々の目に触れる機会が増えると、自分にも教えて欲しいという方が益々増えたのだそうです。愛好会では講習会を開いて菊の植え付けや、枝の整理などの技術を希望者に伝えています。今ではこの地区の50軒以上のお宅が、菊作りを楽しむようになりました。菊作りをきっかけに交流の始まった方たちもいるそうです。

講習会の様子 写真提供:春日居町中輪菊愛好会

講習会の様子 写真提供:春日居町中輪菊愛好会

愛好会の取り組みは、まちに花を増やすだけでなく、地域の人々の交流も深めています。加えてここ数年は菊作りを地域活性に繋げる「菊の散歩路」を実施しています。一般の方に成果を披露する機会を作ったことで、園芸の楽しみはさらに張りを持ったそうです。「菊を見に、毎年たくさんの人が訪れるまちにしていきたい」と語って下さったのは会員の丸山さんです。以前お庭を見に来た県外の方からの葉書を見せて下さいました。そこには、お家でお茶の接待を受けたことへのお礼が、温かい文章で丁寧に綴られていました。花を介して人と人との絆を深める「菊の散歩路」。優しさを求める現代社会に於いて、とても先進的な取り組みにも思えます。何も無い所から企画し、エネルギッシュに実行しているのは、熟年と呼ばれる年代の方々です。だからこそ、人生において何が大切かを知っていて、花作り、まち作りを楽しんでいらっしゃるのだと思いました。(取材:さっさ)

会員の丸山さんのお宅

和服の美女をおもてなし中

こちらでもお茶でおもてなし

華やかに秋を彩る

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