ワイン作り探訪 その2
発酵~ビン詰め・製品
取材:10月29日
前回は、仕込みの第一工程となるブドウの破砕と圧搾、さらに抽出した果汁を発酵用のタンクに送り込むまでの作業が行なわれました。その後、タンクの中で発酵、熟成の時を経て、ブドウは少しずつその姿を変え、ワインへと変化を遂げました。
発酵期間は目指す味わいによってそれぞれ異なりますが、およそ半月から1ヶ月。その間、発酵の途中段階で果汁の下に沈んだ不純物を取り除き上澄みを移し替える「オリ引き」という作業が行なわれました。また、上質なワインに仕上がるまで味や香りなどの熟成度のチェックが入念に繰り返されました。
そうして仕上がったワインをろ過して沈殿物を取り除き、ワイン作りは最後のビン詰めの工程へと進みます。新品のビンがコンベアラインにセットされるたびにビンが触れあう音がカランカランと響き渡り、この空のビンがもうすぐワインで満たされ、製品としていよいよ完成する、その瞬間への期待が高まります。
●ビン洗浄
ビンはまず無菌状態のビン詰め室へ送られ、ビンの内側をオゾン水で殺菌洗浄されます。
洗浄機から充てん機、打栓機までの工程は最終製品を取り扱うため、製造設備や空調設備、建物内装など、特に衛生面で管理されていて、室内への立ち入りはできません。したがってガラス越し、カーテン越しの撮影となり、やや見えにくい写真になりました。
●ビン詰め・打栓
充てん機に熟成、ろ過を終えたワインが送り込まれ、1時間に4500本の速さでビン詰めされていきます。次の打栓機と充てん機の間隔は約1m。ワインを充てん後、すぐにコルクで栓をして香りや新鮮さをキープします。またワインが酸化するのを防ぐため、ビン内のワインとコルクの間に窒素ガスが同時に入れられました。
●検液
続いて仕上げ室に送られ、ビンの外側を温水シャワーで洗浄し、風を送り水滴を除去。その後、検液機にかけて、ビンを光にかざして内部に異物の混入がないかを1本1本、目で見てチェックします。
●キャップシーラー・ラベラー
ビンの上部にビニールのキャップをかぶせ、電熱器で熱収縮させて完全密封します。そしていよいよワインの“顔”ともいえるラベルが貼られます。ラベラーを通り抜けてきたビンに、そのオモテ側とウラ側にラベルがきれいに貼られ、ワインが完成しました。
仕込みの日から1ヶ月あまりの時を経て、今年の「やまなしヌーボー」が出来上がりました。こうして生まれた「やまなしヌーボー」は、11月3日午前0時にコルクを抜かれる、その瞬間を静かに待ちます。 (取材:しんたま)